相続税の非課税財産を完全攻略!お墓・仏壇・寄付で資産を守る「資産変換」の教科書

「相続税対策をしたいけれど、何をすればいいかわからない」
「預金を持っていると税金が高いと聞いたけれど、どうすれば?」

相続税において、最も税負担が重くなる資産は「現金・預貯金」です。額面通りの金額がそのまま評価額となり、課税対象となるからです。 そこで重要になるのが、課税される現金を、国が認めた**「相続税の非課税財産」**へと適法に変換するテクニックです。

今回は、お墓や仏壇の購入、そして寄付といった**「非課税財産」**を活用した節税戦略について、絶対にやってはいけない「NG行動」とともに徹底解説します。

目次

1. 相続税の「非課税財産」とは?国が認めた聖域

相続税法には、社会政策的な見地や国民感情への配慮から、あえて税金をかけない「非課税財産」が規定されています(国税庁 No.4108)。 主なものは以下の通りです。

  1. 祭祀(さいし)財産:墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚など、日常礼拝の用に供するもの。
  2. 寄付金:国、地方公共団体、特定の公益法人(認定NPO法人等)へ寄付した財産。
  3. 生命保険金・死亡退職金:それぞれ「500万円 × 法定相続人の数」までの金額。

この記事では、特に判断に迷いやすい「1. 祭祀財産(お墓・仏壇)」と「2. 寄付」の活用法に焦点を当てます。 (※生命保険と退職金については、別記事『生命保険の活用』をご覧ください)

2. お墓・仏壇(祭祀財産)購入の鉄則と落とし穴

「お墓を買えば節税になる」というのは有名な話ですが、買い方を間違えると節税効果がゼロになるどころか、損をしてしまうこともあります。

鉄則①:生前に「現金一括」で購入する

これが最大のポイントです。相続税を減らすためには、生前に現金を「物(お墓)」に変えて、相続発生時の手持ち現金を減らしておく必要があります。

亡くなった後に、慌てて遺産(現金)を使ってお墓を買っても、その現金はすでに「相続財産」として課税対象になっているため、節税効果はありません。

【要注意】ローン購入は絶対にNG!「債務控除」の罠

「手元に現金を残したいから、お墓はローンで買おう」 これは最悪の選択です。

通常、借金(債務)は相続財産から差し引くことができます(債務控除)。しかし、**「非課税財産(お墓など)を購入するための借入金は、債務控除の対象外」**という特例ルールがあります。

  • 現金で買った場合:現金が減るので、その分相続税が安くなる
  • ローンで買った場合:現金は減らない(課税される)。ローンの残債は引けない。→ 節税効果ゼロ

お墓や仏壇は、必ず生前に支払いを完了させてください。クレジットカード払いの場合も、引き落とし前に亡くなると「未払金」扱いとなり、控除できないリスクがあります。

鉄則②:「純金」の仏具は税務調査で狙われる

「金(ゴールド)の仏像なら、資産価値もあって非課税だから一石二鳥!」 そう考える方も多いですが、税務署は甘くありません。

純金製の仏像やおりんなどは、その価格が一般的常識を超えて高額であったり、投資目的(地金としての価値)が高いと判断されたりした場合、**「祭祀財産ではなく投資財産」**とみなされ、課税対象になるリスクが極めて高いです。 「日常的に拝んでいる実態があるか」「資産規模に見合ったものか」が問われますので、安易な購入は避けましょう。

3. 非課税となる葬儀に関連する費用

相続税の対象となる財産から控除できるものとして葬儀関連の費用があります。このためできるだけ葬儀にかかった費用の領収書等は捨てないで残しておいて下さい。

このため、何月何日に誰にいくら支払ったのかということをメモしておくことをお勧めします。

特にお寺さんにお布施を支払う場合には数十万円から百万円を超える支出になるケースもあるため、忘れずに控除対象として集計したいものです。

【葬儀関連費用として控除できるものの例示】

  1. 医師の死亡診断書の発行費用
  2. 通夜、告別式にかかった費用
  3. 葬儀場までの交通費
  4. 葬儀に関する飲食代(通夜、告別式)
  5. 遺体の搬送費用
  6. 火葬料、埋葬料
  7. お手伝いさんへの心付け
  8. 運転手さんへの心付け
  9. お布施、読経料、戒名料
  10. 納骨費用
  11. その他通常葬式に伴う費用

【葬儀関連費用として控除できないものの例示】

  1. 香典返し
  2. 生花、お供え
    ※喪主・施主負担分は控除対象になります。
  3. 位牌、仏壇の購入費用
  4. 墓地、墓石の購入費用・墓地の借入料
  5. 墓石の彫刻料
  6. 法事(初七日、四十九日)に関する費用
  7. 医学上または裁判上の特別の処置に要した費用
  8. その他通常葬式に伴わない費用

4. 「寄付」で社会貢献と節税を両立する

「相続税として国に納めるくらいなら、お世話になった団体に役立ててほしい」 そう考える方にとって、寄付は有効な選択肢です。

寄付が非課税になる条件

相続した財産を、相続税の申告期限(亡くなってから10ヶ月以内)までに、国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した場合、その財産は相続税の対象から外れます。

ただし、「どこの団体でも良い」わけではありません。 対象となるのは、認定NPO法人や公益財団法人など、特定の要件を満たした団体に限られます。任意の一般社団法人や、個人への寄付は課税対象となりますので、事前に寄付先が「税制優遇の対象団体か」を確認する必要があります。

5. 効果を「数字」で確認しよう!簡単相続ナビでシミュレーション

「300万円のお墓を買ったら、私の場合はいくら税金が安くなるの?」 「寄付をしたら、手元に残るお金はどう変わる?」

相続税は、遺産の総額や家族構成によって税率が変わるため、節税効果は人それぞれです。頭で考えるよりも、実際に数字でシミュレーションしてみるのが一番の近道です。

『簡単相続ナビ』でできること

相続税計算シミュレーションソフト**『簡単相続ナビ』**を使えば、複雑な計算も一瞬です。

  1. 資産の入力:預貯金や不動産の概算を入力し、現在の相続税額を把握します。
  2. 対策シミュレーション:「現金を300万円減らす(お墓購入)」と入力し、再計算ボタンを押すだけ。
  3. 効果の確認:減った税額がひと目でわかります。「300万円の出費で、税金が〇〇万円安くなるならお得だ」といった判断が、根拠を持って行えます。

さらに、お墓などの祭祀財産は、「二次相続(次の世代への相続)」でも非課税で引き継がれます。一度購入すれば、代々税金がかからない資産として残せるのです。この長期的メリットも、ツールを使えば可視化できます。

まとめ:賢い「資産変換」で家族と資産を守ろう

相続税対策の本質は、税金の負担を減らしつつ、家族の精神的な安寧や社会への貢献を実現することにあります。

  • お墓・仏壇:生前に現金一括で購入し、ローンの罠を避ける。
  • 寄付:正しい寄付先を選び、申告期限内に行う。
  • シミュレーション:『簡単相続ナビ』で効果を数字で確認する。

これらを組み合わせることで、あなたの資産を賢く守ることができます。 まずは無料で、現状の相続税額をチェックしてみましょう。

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この記事を書いた人

ミラーマスター合同会社代表社員の鏡 孝正です。
私たちは、専門家任せになりがちな「相続」を、皆様がご自身の手でコントロールできるべきだと考えてます。
弊社のシステムコンサル技術を結集した『簡単相続ナビ』
で、ご家族の「安心の相続」をサポートします。
詳細は、https://mirror-master.com/about/founder-profile/をご参照下さい。

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