遺言書の書き方完全ガイド！相続トラブルを防ぐ作成手順と文例

「自分はまだ元気だから関係ない」
「うちは財産が少ないから揉めないだろう」

そう思っていませんか？
実は、相続トラブル（争族）の多くは、資産5,000万円以下の一般家庭で起きています。残された家族が「誰が何をもらうか」で争わないための最強の防衛策、それが「遺言書」です。

この記事では、初心者の方でも失敗しない「遺言書の書き方」と、自分の想いを確実に伝えるためのルールを分かりやすく解説します。

なぜ「遺言書」が必要なのか？

遺言とは、故人が生前に「自分の財産を、誰に、どれだけ残すのか」についての意思表示をするものです。

遺言書がない場合、遺産は民法で定められた「法定相続人」全員で話し合って分けることになります（遺産分割協議）。しかし、この話し合いがまとまらず、仲の良かった家族が絶縁状態になるケースは後を絶ちません。

遺言書があれば、原則として法定相続よりも遺言の内容が優先されます。

こんな人は遺言書が必須！

• 子供がいない夫婦：夫が亡くなると、妻と「夫の兄弟姉妹」が相続人になり、話し合いが難航しがちです。
• 再婚していて前妻（夫）との間に子供がいる：現在の家族と、前の配偶者との子供の間でトラブルになりやすいケースです。
• 特定の子供や、介護してくれた嫁（息子の妻）に多く残したい：法定相続人以外（息子の妻など）に財産を渡す「遺贈（いぞう）」は、遺言書でしかできません。
• 事業を経営している：会社や店舗の資産（株式など）を後継者に集中させないと、事業継続が困難になります。

遺言書の種類と選び方

遺言書には主に3つの種類がありますが、実務で使われるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つです。

1. 手軽に書ける「自筆証書遺言」

紙とペンがあれば、費用をかけずに自分で作成できます。法改正により、財産目録（不動産や預金の一覧）はパソコン作成やコピー添付も可能になりました。

• メリット：いつでも書ける、費用がかからない、内容を誰にも知られない。
• デメリット：形式不備で無効になりやすい、紛失・改ざんのリスクがある（※法務局の保管制度を使えば回避可能）。

2. 確実で安心「公正証書遺言」【おすすめ】

公証役場で、プロである公証人に作成してもらう遺言書です。

• メリット：形式不備で無効になる心配がない、原本が役場に保管されるので紛失しない、家庭裁判所の検認が不要。
• デメリット：費用がかかる（数万円〜）、証人2人が必要。

【実践】失敗しない自筆証書遺言の書き方

公正証書遺言がおすすめですが、まずは自分の意思を整理するために「自筆証書遺言」を書いてみましょう。以下のルールを絶対に守ってください。

必須の5大ルール

1. 全文を自筆する（財産目録以外はパソコン不可）
2. 日付を正確に書く（「〇月吉日」は無効。令和〇年〇月〇日と書く）
3. 署名をする（戸籍通りの氏名）
4. 押印をする（認印でも可だが、実印が望ましい）
5. 訂正は厳格なルールに従う（基本は書き直し推奨）

そのまま使える！遺言書の文例

【妻に全財産を相続させたい場合】

遺言書

遺言者〇〇（自分の名前）は、この遺言書により次のとおり遺言する。

第１条　遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、遺言者の妻〇〇（昭和〇年〇月〇日生）に相続させる。

第２条　遺言者は、本遺言の遺言執行者として、妻〇〇を指定する。

付言事項（メッセージ）
これまで長い間、私を支えてくれてありがとう。これからも元気に暮らしてください。

令和〇年〇月〇日
住所　東京都〇〇区〇〇町１－１
遺言者　〇〇 〇〇　㊞

遺言書を書く前にやるべき「最も重要なこと」

遺言書の書き方は分かりましたが、いきなりペンを取るのは危険です。なぜなら、「自分の財産がどれくらいあるか」「それを分けた時に税金がどうなるか」を把握していないと、書いた内容が原因で家族を困らせてしまうからです。

• 「妻に自宅を相続させたら、納税資金（現金）が足りなくなった」
• 「子供たちの遺留分を侵害していて、後で裁判になった」

こうした失敗を防ぐために、まずはご自身の財産状況をシミュレーションすることをお勧めします。

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あなたに合った3つのプラン

1. 終活・生前対策シミュレーション
   「どの財産を誰に残せば、相続税が一番安くなる？」を事前に計算。遺言書の内容を決める根拠になります。
2. 相続発生時の分割シミュレーション
   いざ相続が起きた時、遺言書がない場合の最適な分割案を提案します。
3. 資産管理機能
   相続後の資産推移を見える化し、次の世代への対策をサポートします。

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まとめ

遺言書は、大切な家族への「最後のラブレター」です。
円満な相続を実現するために、まずは『簡単相続ナビ』で現状を把握し、無理のない範囲で準備を始めてみましょう。

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