「相続税なんてお金持ちだけの話」と思っていませんか? しかし、都市部にマイホームを持っているだけで課税対象になるケースが増えています。
「何も対策をしていなくて、子供たちが高い税金を払うことになった」 「節税のために贈与しすぎて、自分の老後資金が足りなくなった」
こうした失敗を防ぐためには、元気なうちから正しい知識で**「生前対策」**を行うことが不可欠です。
この記事では、個人ですぐに始められる相続税の節税対策7選と、老後資金とのバランスを守るためのシミュレーション方法について解説します。
そもそも「相続税」はなぜ対策が必要なのか?
相続税は、亡くなった人の遺産総額が「基礎控除額」を超えた場合に課税されます。
【基礎控除額の計算式】 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、相続人が3人の場合、遺産総額が4,800万円を超えると税金がかかります。 日本の相続税率は累進課税(10%〜55%)であり、財産が多ければ多いほど、税金として国に持っていかれる割合が高くなります。
だからこそ、**「生前のうちに財産を減らす(または評価額を下げる)」**対策が重要になるのです。
個人でできる!効果的な生前対策7選
ここからは、具体的な7つの対策方法とその効果について解説します。
1. 暦年贈与(年間110万円以下の贈与)
最もポピュラーな方法です。年間110万円までなら贈与税がかかりません。
- 効果: 10年間続ければ1,100万円の財産を無税で移転できます。孫など相続人以外への贈与は「持ち戻し(生前贈与加算)」の対象外となるため、特に有効です。
2. 相続時精算課税制度の活用(新ルール)
令和6年からの改正により、この制度を使っても「年間110万円の基礎控除」が使えるようになりました。
- 効果: 累計2,500万円まで贈与税がかからず、さらに年110万円分は申告不要・持ち戻しなしで贈与できます。高齢で相続が近い方におすすめです。
3. 生命保険の非課税枠の活用
現金を生命保険(一時払い終身保険など)に変えておく方法です。
- 効果: **「500万円 × 法定相続人の数」**までは相続税がかかりません。例えば相続人3人なら1,500万円まで非課税で渡せます。
4. 配偶者への自宅贈与(おしどり贈与)
結婚20年以上の夫婦間で、自宅(または購入資金)を贈与する場合、2,000万円まで非課税になる特例です。
- 効果: 生前に自宅の名義を妻(夫)に移せますが、不動産取得税などのコストがかかるため、トータルの損得計算が必要です。
5. 不動産の活用(アパート建築など)
更地にアパートを建てたり、現金を不動産に変えたりする方法です。
- 効果: 土地の評価額は、更地よりも「貸家建付地」の方が低くなります。また、現金を不動産に変えるだけで、相続税評価額を実勢価格の7〜8割程度(マンションならもっと低く)に圧縮できます。
6. 養子縁組による法定相続人の増加
孫などを養子にする方法です。
- 効果: 法定相続人が1人増えると、基礎控除額が600万円増え、生命保険の非課税枠も500万円増えます。ただし、節税目的だけの養子縁組は税務署に否認されるリスクがあります。
7. 教育資金・結婚子育て資金の一括贈与
孫などのために、教育資金(最大1,500万円)や結婚資金(最大1,000万円)を一括で贈与する特例です。
- 効果: 短期間で多額の現金を無税で移転できます。ただし、使い残しリスクや契約の手間を考慮する必要があります。
【重要】「節税しすぎ」にご用心!老後資金とのバランス
生前対策で最も怖いのは、税務署ではなく**「自分のお金がなくなること」**です。
「子供のために」と熱心に贈与をした結果、想定以上に長生きして医療費や介護費がかさみ、自分の生活が苦しくなってしまうケースがあります。 これを防ぐためには、「自分たちが100歳まで生きても大丈夫な資金」を手元に残し、「余剰資金」だけで対策を行うという鉄則を守る必要があります。
正しい対策のステップ
- 現状把握: 今の資産で相続税がいくらかかるか計算する。
- 老後資金の確保: 自分たちの生活費、医療・介護費をシミュレーションして取り分ける。
- 余剰資金の対策: 余った分を、どの方法で贈与・圧縮するか検討する。
シミュレーションなくして対策なし
「自分の老後資金はいくら必要?」 「どの対策を組み合わせれば、一番税金が安くなる?」
これらを頭の中だけで計算するのは不可能です。 税理士に相談する前に、まずはご自身でシミュレーションを行い、全体像を把握することをおすすめします。
『簡単相続ナビ』で未来をシミュレーション
ミラーマスターが提供する**『簡単相続ナビ』**は、相続税の試算だけでなく、老後資金とのバランスも考慮できるシミュレーションツールです。
- 現状の相続税額を即座に計算
- 生前贈与を行った場合の節税効果をグラフ化
- 完全版では「ライフプラン(老後資金)」とのバランスも設計可能
「節税」と「安心した老後」の両立を目指すなら、まずは数字で未来を見える化しましょう。 税理士紹介サービスではありませんので、営業電話などは一切ありません。


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