贈与税を非課税にする4つの特例とは?暦年贈与と併用で節税

「相続税対策をしたいけれど、暦年贈与(年間110万円)だけでは時間がかかりすぎる」

「まとまったお金を、税金をかけずに子供や孫に渡したい」

そんな悩みをお持ちの方におすすめなのが、国の政策として用意されている**「贈与税の非課税特例」です。

これらは、暦年贈与の基礎控除(110万円)とは「別枠」**で利用できるため、併用することで短期間に大きな資産を無税で移転させることが可能です。

今回は、現在利用できる主要な4つの特例制度について、その内容と期限、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

目次

暦年贈与と併用可能な「4つの非課税特例」一覧

現在、多くの人が利用できる贈与税の特例は以下の4つです。

これらはすべて申告が必要ですが、条件を満たせば数百万〜数千万円単位の非課税枠が得られます。

特例の名称非課税限度額期限(予定)
① 住宅取得等資金の贈与最大1,000万円令和8年12月31日
② 贈与税の配偶者控除最大2,000万円期限なし
③ 教育資金の一括贈与最大1,500万円令和8年3月31日
④ 結婚・子育て資金の一括贈与最大1,000万円令和7年3月31日

※期限は税制改正により延長される場合があります。


① 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

父母や祖父母(直系尊属)から、18歳以上の子や孫へ、マイホームの新築・購入・増改築のための資金を贈与した場合の特例です。

  • 非課税限度額:
    • 省エネ等住宅:1,000万円
    • 一般住宅:500万円
  • 主な要件:
    • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
    • 贈与を受けた翌年3月15日までに居住すること。
  • メリット:
    • 金額が大きく、使い勝手が良い。
    • 相続時精算課税制度や暦年贈与と併用可能。
  • 注意点:
    • 「小規模宅地等の特例(家なき子特例)」が将来使えなくなる可能性があるため、実家の相続予定がある場合は慎重な判断が必要です。

② 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産(またはその購入資金)を贈与した場合の特例です。

  • 非課税限度額: 2,000万円(+基礎控除110万円)
  • 主な要件:
    • 婚姻期間が20年以上であること。
    • 贈与を受けた翌年3月15日までに居住し、その後も住み続けること。
  • メリット:
    • 生前に自宅の名義を妻(夫)に移せる安心感がある。
    • 将来売却する際に、特別控除(3,000万円控除)を夫婦でダブル利用できる可能性がある。
  • 注意点:
    • 不動産取得税や登録免許税などのコストが別途かかる。
    • 相続まで待てば「配偶者の税額軽減(1.6億円)」で無税になることが多いため、節税効果は薄い場合がある。

③ 教育資金の一括贈与に係る非課税措置

祖父母などから、30歳未満の子や孫へ、教育資金を一括で贈与した場合の特例です。信託銀行などに専用口座を開設して管理します。

  • 非課税限度額: 受贈者1人につき1,500万円
    • 学校等(入学金・授業料):上限1,500万円
    • 学校以外(塾・習い事):上限500万円
  • 主な要件:
    • 受贈者の前年所得が1,000万円以下であること。
    • 領収書を金融機関に提出すること。
  • メリット:
    • 孫ごとに1,500万円という大きな枠が使える。
    • 孫が小さい場合、長期間にわたって資金援助ができる。
  • 注意点:
    • 30歳で使い残した分には贈与税がかかる。
    • 贈与者が死亡した際、使い残し分が相続財産に持ち戻される(課税される)リスクがある。

④ 結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置

祖父母などから、18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚や子育て資金を一括で贈与した場合の特例です。こちらも専用口座で管理します。

  • 非課税限度額: 受贈者1人につき1,000万円
    • 結婚関係(挙式・新居費用):上限300万円
    • 子育て関係(不妊治療・出産・育児):上限1,000万円
  • 主な要件:
    • 受贈者の前年所得が1,000万円以下であること。
    • 領収書を金融機関に提出すること。
  • 注意点:
    • 贈与者が死亡した場合、使い残し分には必ず相続税がかかる。(教育資金贈与のような免除規定がないため、節税効果は限定的です)

特例を使うべきか、暦年贈与でいくべきか?

これらの特例は「非課税枠が大きい」という魅力がありますが、一方で「手続きが面倒」「使い残しリスクがある」「他の特例が使えなくなる」といったデメリットも存在します。

場合によっては、無理に特例を使わず、シンプルに**「暦年贈与(年間110万円)」**をコツコツ続けた方が、自由度が高く、トータルで得をするケースも少なくありません。

迷ったらシミュレーションで比較しよう

「自分の資産状況だと、どの特例を使うのが一番お得?」

「特例を使わずに相続を迎えたら、税金はいくらになる?」

そんな疑問をお持ちの方は、ミラーマスターが提供する**『簡単相続ナビ』**をご活用ください。

『簡単相続ナビ』は、Web上で将来の相続税額を試算できるシミュレーションツールです。

生前贈与を行った場合としなかった場合の税額変化などを確認できるため、特例利用の判断材料になります。

  • 面倒な手続きなしで計算可能
  • 営業電話は一切なし
  • 生前贈与プランの検討に最適

賢く特例を使いこなすために、まずはご自身の状況を数字で把握してみましょう。

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この記事を書いた人

ミラーマスター合同会社代表社員の鏡 孝正です。
私たちは、専門家任せになりがちな「相続」を、皆様がご自身の手でコントロールできるべきだと考えてます。
弊社のシステムコンサル技術を結集した『簡単相続ナビ』
で、ご家族の「安心の相続」をサポートします。
詳細は、https://mirror-master.com/about/founder-profile/をご参照下さい。

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